朝に弱い。
悩み事が多くて、なかなか寝付けないのも原因なのだが、どうしても時間通りに起きる事が出来ない。いや、起きてはいるんだ。
起きてはいるんだ。目覚ましが鳴る前には起きてはいるんだ。目覚めたと思って目覚ましを切って、それから二度寝をしてしまうんだ。
だから朝はいつも寝坊をしてしまう。だからいつも朝はバタバタ。ボサボサの髪はそのままで、簡単に歯磨きを済まして、パンを齧りながら家を飛び出す。
するといつも母さんの声が響き渡るんだ。「忘れ物よー!」って。
どうせ夜は眠れないんだから、今後は明日の準備をして寝る事にする。枕元に明日着て行く洋服と靴下、それにお財布と給食袋、そしてそしてカバンの中に大事な宿題を入れて。これで少しでも朝に余裕が出来るはずなんだ。
他に忘れ物は無いはずなんだ。
他に忘れ物は無いはずなんだ。
学校に行くだけなんだもん。他に忘れ物は無いはずなんだ。
これで大丈夫なんだ。後は朝が来るのを待つだけなんだ。暗い部屋でまぶたを閉じて、次にそれを開いた時には朝が来る。そうなる予定だった。
目が覚めたのは大きな破裂音のおかげだった。何かが爆発したような音で、まぶたを開いた。その中に入ってきた光は太陽から生まれるものではなく、暗闇の中で一瞬だけ明るく輝いた光線だった。
これが僕が眠れない原因なのだ。真夜中に突然始まる爆撃。昼間ならばまだしも、真夜中の爆撃ほど心臓に悪いものはない。寝ている時の不意打ちはずるい、ほら隣のアパートの赤ちゃんが泣き出した。
前回の破裂音では、クラスのあの子が死んじゃった。その前の破裂音では、国語の先生が死んじゃった。今回の破裂音では、いったい誰が死んじゃったんだろう。案の定、今夜も眠れない。そんな時、僕は哲学者になる。
戦争はきっと悪い事だ。でも平和を求めるから戦争になるんだよな。
戦争が始まったきっかけは、誰かの正義なんだよな。
早く寝なきゃ明日も早起きだ。目が覚めて生きていたら学校に行かなきゃ。破裂音が鳴った翌日は、道がボロボロで歩きにくいから嫌なんだよね。アレも持って行かなきゃなんないし。
アレは明日の朝に準備するとして今日はもう寝よう。げっ!もう4時だ!!
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・さい・・・
・・・きなさい・・・
・・・・・・起きなさい!!
やべ、また寝坊してしまった。でも良かった生きてて。それはそうと準備しなきゃ。用意してた服に着替えて、給食袋もお財布も必要な物は枕元に置いてたから、今日は忘れ物の心配はなし。
寝ぐせでボサボサの髪はバンダナで誤魔化してっと。母さん、ここに置いてあるパンは貰って行くねー。じゃあ行って来まーす!!
「忘れ物よー!」
また母さんの声が響き渡る。今日は忘れ物なく完璧なはずだったのに。
あ、そういえばアレを忘れてた。

早く平和な日々が訪れないかな。
ランキングが125位(笑) 我ながらザコ(笑)
男の、男による、男のためのアダルトショップ