パンパンパンと銃声が鳴り響く度、僕の仲間が次々と倒れる。
パンパンパン、パンパンパン。
ムードメーカーだったあいつも、泣き虫だったあいつも。
頭が良くて、博士と呼ばれていたあいつも。
パンパンパン、パンパンパン。
足が速かったあいつも、食いしん坊だったあいつも。
彼女が出来て、とても喜んでいたあいつも。
パンパンパン、パンパンパン。
おしゃれだったあいつも、無邪気だったあいつも。
ケンカじゃ誰にも負けなかったあいつも。
最後の夜は、お国の為にと笑ってさ。
僕らの未来を、この国の未来と差し替えてさ。
生きて帰れるわけはないのに、生きて帰ろうと約束してさ。
生きて帰りたいのに、一緒に死のうなんて約束してさ。
あいつが言ってたんだ。
誰が一番多く殺せるか賭けをしようって。
でも、みんなは笑ったんだ。
誰が一番多く撃たれるかの間違いじゃないのかって。
みんな最初から知ってたんだ。
僕らが誰かを殺しても、世界は何も変わらない事を。
そして全員、下を向いて黙り込みました。
誰が泣いていたなんて、そんなもの涙で見えませんでした。
父さんは強き人でした。
母さんは優しき人でした。
だから僕には、素晴らしい仲間が出来ました。

さよなら、父さん母さん。
あいつらが僕を呼んでいる。
パンパンパン。
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これからも泣かせてください。