プレゼント オレ日記 ■別れの時
素敵な画像でシャドーセックス。今夜もセックスマイセルフ。
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サラ、ファイン サラファイン
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■あ、おひさしぶりです。

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■別れの時 


情けないが震えている。

迫り来る恐怖、そして決心の時、残した家族の今後の生活。しかしこの日が来る事は最初から覚悟はしていた。極道の世界に生きる者としての宿命、愛する親父を守る為に俺は今夜誰かを殺す。

鉄砲玉としての指令を受けたのは朝方だった。兄貴分に連れられ向かった先は、神妙な表情で待ち受けている親分の屋敷だった。話によると、対立する組の会長が今夜二十一時に料亭へ現れる情報を仕入れたという。そして白い布に包まれた何かを手渡された。その重量感、そして状況から、その中身はピストルだとすぐにわかった。

俺達、極道の下っ端は誰もが通る道。しかも相手が対立する組の会長とあっては一気に格上げになれる任務。こんなチャンスは滅多にない。俺は息を飲んで見つめる親分に二つ返事で答えた。そして親分は机の引き出しから厚い封筒を取り出し、それを俺に手渡す。中を開けて見ると札束だった。

俺は人通りの無い路地裏で泣いた。大きな体を小さくして泣いた。

まだ陽も沈まぬ、夏の夕方。自宅のボロアパートに帰ると、夕食の準備をしている家内と生後三ヶ月の長女。家内は驚いた表情で人参をカットする手を止め、「早かったのね、お帰りやす」と未だに抜けない京都弁で迎えてくれた。しかしそんな光景もしばらく見納めになるのだが。

また夕食の準備に取り掛かった家内に、俺は親分から貰った封筒を差し出した。中身の大金を見た家内は、封筒を受け取らずに突き返して来た。何か悪さでもして来たのかと思った様だ。事情を知らない家内は、隣の部屋で哺乳瓶と遊ぶ幼い長女の様に、もちろん明日からの生活を心配していない。明日も明後日も、いつもと変わらぬ家族三人での生活を想像する事は極自然な事だから。

「今夜、俺は鉄砲玉になる事になった」

どうしても封筒を受け取らない家内に、決心した俺はついに伝えた。

「何?何なの鉄砲玉って?」

極道の俺と一緒になる前は、家内は京都で暮らしていた平凡な一般人。いわゆるあっち側の人間だ。鉄砲玉なんて極道用語を知る由も無かった。笑顔で質問してくるところを見ると、また寝言か冗談でも言っているのかと思ってるのだろう。

「今夜、対立する組の親分を殺しに行く」

俺はスーツの内ポケットに入った白い包みを見せた。そっと白い布を外すと、中からは黒光りした金属が現れた。そして家内は言葉を失い、呆然と現実の整理をしている。

「しばらくは塀の中だ、もしかすると返り討ちに遭うかも知れない」

家内は泣き崩れた。俺はあえて心を冷酷にし、泣き崩れる家内を支えなかった。これからは長女と二人で生活して行かなければならないのだ。泣き崩れても、もう支えてくれる人は近くにいないのだ。だから、だから冷酷になった。残酷かも知れない。しかし何も知らずに遊ぶ長女の笑顔は、俺にとって一番残酷だった。

「あんた…あんた…行ったらあかん」

泣きながらも必死にしがみ付き、俺を殺しに行かせない様に説得する家内。もう二度と帰れる事は無いかも知れないのだ。これが最後の人の温もりになるのかも知れない。お前はまだ若い。その時は、極道では無い普通のサラリーマンでも探して幸せになれ。そして未だ喋らぬ我が長女よ、お前が「パパ」と呼ぶ声を聞きたかった。お前の歩く姿も、入学式も卒業式も、幸せな結婚式も立ち会ってやれない父親を許してくれ。

そして俺は玄関の扉を開けた。

「あんた…あんた…行ったらあかん」


幸せにな


「あんた…」
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[ 2006/05/13 22:07 ] ■画像 | トラックバック(-) | CM(2)
素敵☆
鉄砲玉になる覚悟の出来たクールな瞳…それにすがる姿
何時も文章力に感心させられます
[ 2006/05/13 22:32 ] [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2006/05/13 22:38 ] [ 編集 ]
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