
爆弾が発射されても悲しいかな何もする術がない。
僕たちに出来ることといえば、ただ青い空を眺めて、僕たち目がけて落ちてくる爆弾を見つめるだけなのだ。テポの野郎がドーンと落ちてくるのを見つめるだけなのだ。
そして爆弾は大きな音と共に地面に触れ、眩いばかりの光と共に、痛みを持った強い風を吹き散らす。その風はとても熱く、お肌にとても悪い。
その瞬間、子供や老人は鳥の様にその風に乗って空を飛び、ついに夢見たカモメになれる。超高層ビルは片っ端から崩れ落ち、道路には深い深い穴が開く。その穴はまるで地獄への入口みたいにぽっかりと大きく口を開けて、中では今にも死神が誘っているかの様に。
街は炎に包まれ、いつまでもサイレンが鳴り響き、女の甲高い悲鳴が耳を貫く。消火栓からは大量の水が噴き出し、太陽が反射して綺麗なアーチの虹を作る。
そして僕のオンボロ自動車のフロントガラスは飛び散り、黒いボディは内部から破裂する。衝撃で外れたホイールカバーは音を立てながらカラカラ回り、横転したオンボロ自動車の中からは血まみれになった僕の身体。
爆弾の衝撃で発信局のアンテナは壊れ、携帯電話の電波は途切れる。山は雪崩を起こし、川には汚染物質が流れ込む。匿名掲示板には救いを求める書き込みが溢れ、サーバーがダウンする。
痛みに耐えながら道を歩けば、捨てられた空き缶の様に散乱した人の部品。頭、腕、指、足、耳、皮、骨、思い出、感情、無念。しかし大丈夫、やがてその臭いにも慣れてくる。
昨日まで住んでいた家は崩壊し、昨日まで勤めていた会社はスクラップに。昨日まで一緒にいた友達は星座になり、昨日まで一緒にいた女の子は天使になった。
その光景を見て地獄と思った僕は、爆弾が落ちてくる前はきっと天国だったと後悔する。天国さえ不満に思っていたあの頃。けれど漕ぐ手はやめないで。
「神ヨ!ロビタヲ救イタマエ」と月面で泣き崩れても後の祭り。
僕たちではどうしようもない現実は近くの空を飛んでいる。落ちてくる爆弾が目の前1センチの距離に近付いた時、後悔しない為に。
ランキングが125位(笑) 我ながらザコ(笑)
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