大人になった今は、もうすっかり汚れてしまって、女の子に触れる事すら何も感じなくなってる。恋のドキドキも、胸のドキドキも忘れてしまって、場合によっては恋をする事すら罪になってしまう。
戻れる頃ならあの日に戻りたい。

まだキスすら知らなかった頃、あの頃は女の子と一緒の空間にいるだけでドキドキしていた。好きな女の子と同じ教室で、同じ空気を吸っている。授業なんてそっちのけで、斜め前に座っているあの子だけに夢中になっていた。
あの子がノートに落書きをしている姿、午後の授業の暖かさでウトウトと襲う睡魔を一生懸命耐えている姿、その流れで机から落ちた消しゴムを拾う姿、あの子のたくさんの姿を斜め後ろからずっと見ていた。
休み時間には、友達と馬鹿話をしながらもあの子だけを見ていた。体育の授業でサッカーをしている時も、ボールより、隣のコートで短距離走をしているあの子を見ていた。あの子がこっちを見ている時なんて、無理してオーバーヘッドキックしたりして、後頭部を地面で痛打して。そしてあの子はクスクスと笑って。
ノートの切れ端に書いたラブレター。それを授業中に友達を通してあの子の席まで回してもらう。そして同じルートを逆回りに返ってきた切れ端は、授業中で無ければ立ち上がってガッツポーズをしたい内容で。
デートといっても、一緒に同じ道を通って帰るだけで、手も触れる事無く、会話すらまともに交わせず、ただ同じ道を通って一緒に帰るだけ。それを何度か繰り返すうちに、公園に寄ったり、マンションの屋上でのおしゃべりがデートスポットになる。

ただ隣にいるだけでとても幸せで、セーラー服のリボンが風になびいた時に少しだけ香るシャンプーと汗のにおいが更に幸せな気分にさせる。あの頃は、空が青いだけで、雲が何かの形に似ているだけで、それだけで話題が途絶えることは無かった。
誕生日プレゼントなんて、お金の使用量で決まる今とは違って、プラスチックの指輪だったり、スヌーピーの秒針が忙しく動く安物の腕時計だったりで。しかしそれを心から喜んでくれて。そしてお互いにクスクス笑って。
2本の棒が付いたソーダ味のアイスクリームを2つに分けて、綺麗に半分に折れずに7:3くらいに割れてクスクス笑ったり。初めての日曜日のデートも、今考えると信じられないファッションなんだけど、当時は最高のおしゃれだったり。そして初めてのキスをして。
公園のベンチにひとり座って、そんな事をずっと思い出していた。
すると小さな女の子がニコニコしながらこっちを見ていた。その女の子の瞳は、キラキラと輝いていて、きっと当時のオレもこんな風に純粋な目をしていたんだろうと思った。その瞳に吸い込まれて、オレはソーダ味のアイスクリームを半分その女の子にあげた。
その女の子は泣いて逃げ出した。しばらくすると遠くからサイレンが聞こえた。
とりあえず必死で逃げた。
ランキングが125位(笑) 我ながらザコ(笑)
男の、男による、男のためのアダルトショップ
この「一方通行」の写真いいよね
きゅんきゅん来る