プレゼント オレ日記 ■トップランナー
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サラ、ファイン サラファイン
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■あ、おひさしぶりです。

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■トップランナー 


私は知っている。

本日行なわれるヨーロッパ国際女子マラソンに向けて、ランナーが血の滲むような努力をしてきた事を。

それぞれが、それぞれの想いを胸に1本の白いゴールテープを目指し、42.195キロを走り抜ける。何度も挫折しようとするだろう、苦しくて辛くてたまらないだろう。しかしランナーは何かを求めて走り続ける。

私は去年から、あるランナーに密着取材を行なってきた。そのランナーとは、今回のヨーロッパ国際女子マラソンで最有力候補と言われているチカッパ・ハシルーノ選手だ。

彼女は決して裕福とはいえない家庭に生まれ、幼き頃に両親も離婚し、母親の手ひとつで育てられてきた。彼女はジュニアハイスクールに通い始めた頃、母親は新しい父親と再婚した。しかしそれが彼女にとって悲劇の始まりとは誰も知る由がなかった。

再婚して間もなく、新しい父親が経営していた会社が不渡りを出したのだった。それ以来、父親は連日連夜酒を浴びるように飲み、生活費まで酒代に充てる始末。それを止める母親には罵倒と暴力を浴びせ、彼女は部屋の隅でただ震える事しか出来なかった。

生活費は父親の酒代に消える為、母親と彼女は3度の食事すらまともに摂れず、外では母親が朝から晩まで奴隷のような重労働に耐え、家では幼い彼女が掃除や洗濯を行なっていた。

ある日の事だった。酒乱の父親の暴力で散らかった部屋を片付けていた彼女は、ふと時計を見上げた。時計の針は真上の方向で2本とも重なろうとしていた。こんな時間にまだ戻ってこない母親が心配だったのだ。

いつもならば、とっくに帰っている時間である。テーブルに用意しているオリーブオイルを混ぜただけのパスタもすっかり冷え切った。彼女は母親が帰るまで、食事をひと口も食べずに誰もいない部屋で待った。

いつの間にかうたた寝をしていた彼女は、ガラスの割れる音で目を覚ました。真夜中に酔っ払った父親が帰ってきたのだ。時計の針は3時を示している。

千鳥足で暴れる父親の叫びから察するに、先ほど母親に離婚を突きつけられ、母親はそのまま蒸発したらしい。父親の怒りは尋常ではなく、いつもより暴れ方もエスカレートしていて、ドアは蹴破られ、物は飛び散り、挙句の果てには彼女にまで暴力を振るった。

-こんな生活はもう嫌だ-

彼女は父親にそう告げると、裸足のままで家を飛び出した。服はビリビリに破れ、顔は無残にも腫れ上がり、涙とも血とも判別出来ぬ液体が頬を伝う。

彼女が行き着いた先は公園だった。幼き彼女に頼れる人はおらず、もちろんお金もない。鳴り止まぬ腹の音を抑える為には花でも草でも食べた。公園の水道水を溺れるほど飲んだ。

しかし成長期の彼女の身体はもっと栄養を求めた。彼女は閉店したレストランから出された残飯を漁り、何とか必要な栄養素を摂取して生きていた。第三者から見ると壮絶な光景だが、父親から逃げる事が出来た彼女からすると幸せでもあった。

まだ陽の明るい内からゴミ箱を漁る少女。周りを歩いている通行人は、汚物でも見るかの視線で彼女を軽蔑した。しかしそれを見ていた白髪の老人だけは彼女にそっと手を差し伸べた。

-可愛そうにお嬢ちゃん-

老人はこの町で名の知れた資産家であった。巨万の富と名声を手にしていた彼であったが、家族は皆若くしてこの世を去り、大きな豪邸にひとりで住んでいたのであった。

老人は彼女に豪邸の掃除や炊事のお手伝いを条件に、3食の保証とお小遣いを約束した。彼女には特に断る理由もなかった。もう残飯を漁る必要もなくなったのだから。

食卓に並んだ今まで見た事のない豪華な料理をスプーンで口に運んだ瞬間、彼女は大声で泣き始めた。この数年間我慢していた寂しさ、生きる為に捨てた何かを思い出して彼女は泣いた。

老人は親身に彼女の言葉に耳を傾けた。彼女は我が祖父のように老人に心を開き、また老人は彼女を我が子のように心配した。そして老人は彼女の為に何かしてあげたい気持ちで溢れ返ってこう尋ねた。

-望みは何でも言いなさい-

すると彼女は迷う事なく望みを告げた。

-お母さんに会いたい-

しかし老人は母親の姿すら知らない上、母親が失踪してからもう数年の年月が経過している。この広いヨーロッパを名前だけで捜し出すのは至難の業であった。警察も名前だけでは不可能との返事だった。どうすれば母親を見付ける事が出来るのか。

途方に暮れた老人が黒皮の椅子に深く腰掛けた時、ブラウン管の中ではマラソンが放送されていた。そして老人はある事を思いついた。こうすれば彼女の母親を見つける事が出来る。否、こうすれば彼女の母親が現れるはずだ。

次の日、老人は彼女にプレゼントを買った。突然の行為に唖然とする彼女をよそに、老人はニコニコしながらその箱を渡した。貧しい家庭で育った彼女にとって、生まれて初めてのプレゼント。こんなに綺麗な箱に、こんなに可愛いリボンが結ばれたプレゼントは、ブラウン管の中のアニメでしか見たことがない。

少女はそれを両手でしっかり受け取ると、嬉しそうに幸せそうにリボンを解いた。中から現れるのは着せ替えの出来るお人形さん、もしくはとってもキュートなクマのぬいぐるみ。キラキラと輝く少女の瞳には、箱から飛び出る夢と希望が反射していた。

しかし箱の中から現れたのは、新品のマラソンシューズだった。

-少女よ、マラソンのランナーになるのじゃ-

マラソンでトップランナーになれば、衛星テレビで全世界に放送される。母親を捜すことが出来ないのならば、母親にこの子を見つけてもらおう。それが老人の思惑であった。彼女と老人の想いが詰まったマラソンシューズ。それはピカピカと輝いていた。

その日から彼女は毎日走り続けた。太陽が照り続ける日も、風が強く吹く日も、土砂降りの雨の日も、寒さが身に染みる雪の日も、彼女は夢に向けて走り続けた。この足が痛さで千切れようとも、この胸が苦しさで破裂しようとも、誰よりも早く走れば母親に会える。それだけが彼女を支えていた。

そして大会前夜、彼女が眠れなかったのは緊張からではなかった。昔から持病として抱えていた心臓の病が発作を起こし、老人が帰らぬ人になったのだ。今も生きているかのような優しい表情で横たわる老人の手を、彼女はしっかりと握り締めた。まるで離れ離れが怖くて母親の手を握る子供のように。そして彼女はベットの横に置いてある包みを見つけた。

包みの中には、ピンクのランニングウェアと手紙が入っていた。彼女はその手紙を読んだ瞬間、声を荒げ、その場に崩れ落ちた。

“この手紙を見ているという事は、もう私はこの世にいないのだろう。私はお前と出会い、本当に幸せだった。ひとりでの干からびた生活に、お前は夢と幸せという水分を与えてくれた。お前はよく頑張ったね。あとは当日にその結果を残すだけだ。お前がトップランナーとして純白のテープを切る時には、お前の母親もきっとお前を見つけるだろう。

お前が全世界の注目を集める瞬間に私も立ち会いたかった。しかし神様が迎えに来てしまった。お前という天使と知り合ったので神様が嫉妬したのかも知れないな。あと、私には誰も身寄りがいない。この家は今日からお前のものだ。売りに出して花嫁資金にしてもいい、母親と一緒に住んでもいい。お前の好きなように使え。

ただこれだけは覚えておけ。お前はひとりで走っているんじゃない。お前の苦しさは私の苦しさでもある。私は空の上から応援しているが、苦しくても空を見上げるじゃない。お前はただ純白のテープだけを目指して走れ。その先には幸せと希望が待っているのだから”

まるで自分の死期を悟っていたかのような手紙に、彼女は大粒の涙をこぼし、その滴は青いインクを滲ませた。行方のわからない母親への想いと、老人の大きな愛を抱きしめ、彼女は運命のヨーロッパ国際女子マラソン当日を迎えた。

私は密着取材以来、彼女に強い思い入れを持っている。私もインタビュアーとして、彼女の過去と努力を全世界の視聴者に伝えたい。そして誰よりも彼女の母親へ彼女の事を発信する事を私の使命とすら感じている。

もうそろそろ先頭集団が現れる頃だ。私はゴール前にて彼女が現れる瞬間を今か今かと待った。彼女がトップランナーとしてテープを切る瞬間、それは全世界が彼女に注目する瞬間。緊張と興奮で汗ばむ手でマイクを握り、私は彼女が先頭で帰って来る事をこの青い空に願った。

その時、歩道で応援している観客から声援が上がった。先頭集団が帰って来たのだ。混戦模様の中、トップを走るのはピンクのランニングウェアを着た選手。そう、待ち侘びていた彼女だった。

-頑張れ-

普通なら中立の立場であるインタビュアーにはあるまじき行為だが、この時だけは心から叫んでしまった。私には無我夢中で走る彼女の手を引いて応援している老人の姿が見える。

純白のテープまであと5メートル。

4メートル…。

3メートル…。

2メートル…。





全世界はインタビュアーに夢中

あいたッッ!!
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[ 2007/07/30 00:22 ] ■画像 | トラックバック(-) | CM(10)
すげぇ引き込まれながら読んでたのにww

実話かと思ってたのにww

感動したのにww
[ 2007/07/30 02:40 ] [ 編集 ]
ちょっwww
これwww
[ 2007/07/30 17:41 ] [ 編集 ]
あまりに長くてまったく読んでいないのだが、、、

真ん中の人足グキってね?
[ 2007/07/30 17:53 ] [ 編集 ]
不覚にも笑ってしまった。
っていうか、右の人、なんであんなところにw
[ 2007/07/31 01:44 ] [ 編集 ]
こんなオチかよ!ちくしょー!
[ 2007/07/31 05:22 ] [ 編集 ]
選手名で気付けよw
[ 2007/07/31 09:52 ] [ 編集 ]
ハイヒールマラソンの写真か?
[ 2007/07/31 10:59 ] [ 編集 ]
最高www
ちかっぱハシリーノさんもあと1秒後に『あいたッッ』ってなるよねw足グキッ
[ 2007/07/31 21:12 ] [ 編集 ]
偶然、訪問しました・・。
ちょっと読ませてもらいましたが、楽しげで良いですね・・・

頑張って下さい・・・。
[ 2007/08/02 23:18 ] [ 編集 ]
ほんと台無しだよなぁ(´ω`)ww
[ 2007/08/04 04:10 ] [ 編集 ]
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